in Costa Rica

 コスタリカを訪れたのは1999年の秋でした。

ちょうどこの季節のコスタリカは雨季真っ只中で3日に1日は雨でした。

コスタリカは国土の70%が森に覆われている、とても自然の豊かな国です。

太平洋とカリブ海の両方に面していて、どちら側でもイルカの姿を見ることができます。

(どちらも船上ウォッチングです)


 私が最初に訪れたのは太平洋側の南部、ドレイク・ベイ(Drake bay)という湾です。

そこからも野生のイルカ、クジラを見に行くツアーが出ています。ここのツアーでは、

だいたいマダライルカやバンドウイルカが見れますが、運がよければいろんな種類の

鯨が見れるようです。私がいたときにはザトウクジラが何度かしぶきを上げているのを

目撃しました。


 ただ、このドレイク・ベイに行くにはシエルペ(Sierpe)という町からボートで1時間ほど

川を下らなければなりません。川の両側はマングローブに覆われており、両岸をよーく

見ているとワニたちが普通にいます。まさにリアル・ジャングルクルーズです。

 

 そして私がお世話になった「Delfn amor eco lodge」というロッジは海辺の

ジャングルの中にあり、朝になるとホエザルの鳴き声で目を覚まし、部屋を出れば

色鮮やかな蝶が飛び回り、敷地内を散歩すればまだ新しいジャガーの足跡が・・・・・

というまさに熱帯雨林というイメージそのまま!!冒険好きな方にはお薦めの場所です。


 そこで何をしていたかというと、毎日ロッジの仕事を手伝ったり、その日に見えた

イルカの種類や頭数、GPSの位置データを入力したりというボランティアを1ヶ月ちょっと

させてもらいました。ジャングルの中での生活は毎日がドキドキで私の人生においても

とても貴重な体験となりました。


 靴を履くときは靴の中を、シャワーを浴びた後はバスタオルをよーくチェックしてから

使わなくてはなりません。なぜなら、中にサソリが入っていることがしばしばあるからです。

そこまで強毒なものはいませんが、やはり刺されると相当痛いようです。私がいる間にも

二回ほどスタッフが刺されて悲鳴をあげていました。


 そんなジャングルライフを満喫して、今度はコスタリカのカリブ海側にも行ってみたいと

思い、帰る前にロッジのオーナーに教えてもらった場所を訪ねることにしました。

一度首都サンホセまで戻り、それからバスを乗り換えて5、6時間、そしてそこからさらに

ヒッチハイクで1時間行ったところに目的地マンザニーオ(Manzanillo)はありました。


 カリブ海側の小さな村マンザニーオでは現地の人に”ツクシ”と呼ばれているイルカに

遭うことができます。和名は『コビトイルカ』といいますが、

バンドウイルカによく似ていますが一回り小さく、背びれが正三角形に近く、

おなかが鮮やかなピンク色をしているのが特徴です。このイルカは

ブラジルなどでは、海と川両方で見ることができる珍しい種類のイルカだそうです。


 港などはなく、白い砂浜から細く小さなボートを押し出して出航します。ただ、この日は

サーファーが喜んで海に出る感じで波がありました。お客だろうがなんだろうが一緒に

ボートを海へ押して、ボートが海に入ったら飛び乗ります。ひっくり返りそうになってる間に

船頭はエンジンをかけ、沖へ出ます。当然帰りも命がけです。波に乗って海岸まで勢いよく

乗り上げ、すぐみんな飛び降りてボートを岸に引っ張り上げます。


 結局のところコスタリカでは、イルカに会った記憶よりもサバイバルな体験の方が遥かに

鮮明に記憶に刻まれました。しかし、次はイルカなしでもまた行きたい!!

そう思える不思議な魅力あふれる国でした。